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  <title><![CDATA[HTML5構築テスト用の最新ブログ記事]]></title>
  <updated>2014-07-03T15:29:40+09:00</updated>
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    <title><![CDATA[藪の中 芥川龍之介 - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:28:00+09:00</updated>
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    <summary><![CDATA[底本：「芥川龍之介全集4」ちくま文庫、筑摩書房
1987（昭和62）年1月27日第1刷発行
1996（平成8）年7月15日第8刷発行
底本の親本：「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房
1971（昭和46）年3月～1971（昭和46）年11月
初出：「新潮」
1922（大正11）年1月]]></summary>
    <content type="html"><![CDATA[底本：「芥川龍之介全集4」ちくま文庫、筑摩書房<br>
1987（昭和62）年1月27日第1刷発行<br>
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底本の親本：「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房<br>
1971（昭和46）年3月～1971（昭和46）年11月<br>
初出：「新潮」<br>
1922（大正11）年1月]]></content>
    <category term="藪の中"/>
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=10</id>
    <title><![CDATA[巫女（みこ）の口を借りたる死霊の物語 - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:28:00+09:00</updated>
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    <summary><![CDATA[　――盗人（ぬすびと）は妻を手ごめにすると、そこへ腰を下したまま、いろいろ妻を慰め出した。おれは勿論口は利（き）けない。体も杉の根に縛（しば）られている。が、おれはその間（あいだ）に、何度も妻へ目くばせをした。この男の云う事を真（ま）に受けるな、何を云っても嘘と思え、――おれはそんな意味を伝えたいと思った。しかし妻は悄然（しょうぜん）と笹の落葉に坐ったなり、じっと膝へ目をやっている。それがどうも盗人の言葉に、聞き入っているように見えるではないか？　おれは妬（ねたま）しさに身悶（みもだ）えをした。が、盗人はそれからそれへと、巧妙に話を進めている。一度でも肌身を汚したとなれば、夫との仲も折り合うまい。そんな夫に連れ添っているより、自分の妻になる気はないか？　自分はいとしいと思えばこそ、大それた真似も働いたのだ、――盗人はとうとう大胆（だいたん）にも、そう云う話さえ持ち出した。
　盗人にこう云われると、妻はうっとりと顔を擡（もた）げた。おれはまだあの時ほど、美しい妻を見た事がない。しかしその美しい妻は、現在縛られたおれを前に、何と盗人に返事をしたか？　おれは中有（ちゅうう）に迷っていても、妻の返事を思い出すごとに、嗔恚（しんい）に燃えなかったためしはない。妻は確かにこう云った、――「ではどこへでもつれて行って下さい。」（長き沈黙）
　妻の罪はそれだけではない。それだけならばこの闇（やみ）の中に、いまほどおれも苦しみはしまい。しかし妻は夢のように、盗人に手をとられながら、藪の外へ行こうとすると、たちまち顔色（がんしよく）を失ったなり、杉の根のおれを指さした。「あの人を殺して下さい。わたしはあの人が生きていては、あなたと一しょにはいられません。」――妻は気が狂ったように、何度もこう叫び立てた。「あの人を殺して下さい。」――この言葉は嵐のように、今でも遠い闇の底へ、まっ逆様（さかさま）におれを吹き落そうとする。一度でもこのくらい憎むべき言葉が、人間の口を出た事があろうか？　一度でもこのくらい呪（のろ）わしい言葉が、人間の耳に触れた事があろうか？　一度でもこのくらい、――（突然迸（ほとばし）るごとき嘲笑（ちょうしょう））その言葉を聞いた時は、盗人さえ色を失ってしまった。「あの人を殺して下さい。」――妻はそう叫びながら、盗人の腕に縋（すが）っている。盗人はじっと妻を見たまま、殺すとも殺さぬとも返事をしない。――と思うか思わない内に、妻は竹の落葉の上へ、ただ一蹴りに蹴倒（けたお）された、（再（ふたた）び迸るごとき嘲笑）盗人は静かに両腕を組むと、おれの姿へ眼をやった。「あの女はどうするつもりだ？　殺すか、それとも助けてやるか？　返事はただ頷（うなず）けば好（よ）い。殺すか？」――おれはこの言葉だけでも、盗人の罪は赦（ゆる）してやりたい。（再び、長き沈黙）
　妻はおれがためらう内に、何か一声（ひとこえ）叫ぶが早いか、たちまち藪の奥へ走り出した。盗人も咄嗟（とっさ）に飛びかかったが、これは袖（そで）さえ捉（とら）えなかったらしい。おれはただ幻のように、そう云う景色を眺めていた。
　盗人は妻が逃げ去った後（のち）、太刀（たち）や弓矢を取り上げると、一箇所だけおれの縄（なわ）を切った。「今度はおれの身の上だ。」――おれは盗人が藪の外へ、姿を隠してしまう時に、こう呟（つぶや）いたのを覚えている。その跡はどこも静かだった。いや、まだ誰かの泣く声がする。おれは縄を解きながら、じっと耳を澄ませて見た。が、その声も気がついて見れば、おれ自身の泣いている声だったではないか？　（三度（みたび）、長き沈黙）
　おれはやっと杉の根から、疲れ果てた体を起した。おれの前には妻が落した、小刀（さすが）が一つ光っている。おれはそれを手にとると、一突きにおれの胸へ刺（さ）した。何か腥（なまぐさ）い塊（かたまり）がおれの口へこみ上げて来る。が、苦しみは少しもない。ただ胸が冷たくなると、一層あたりがしんとしてしまった。ああ、何と云う静かさだろう。この山陰（やまかげ）の藪の空には、小鳥一羽囀（さえず）りに来ない。ただ杉や竹の杪（うら）に、寂しい日影が漂（ただよ）っている。日影が、――それも次第に薄れて来る。――もう杉や竹も見えない。おれはそこに倒れたまま、深い静かさに包まれている。
　その時誰か忍び足に、おれの側へ来たものがある。おれはそちらを見ようとした。が、おれのまわりには、いつか薄闇（うすやみ）が立ちこめている。誰か、――その誰かは見えない手に、そっと胸の小刀（さすが）を抜いた。同時におれの口の中には、もう一度血潮が溢（あふ）れて来る。おれはそれぎり永久に、中有（ちゅうう）の闇へ沈んでしまった。&hellip;&hellip;&hellip;
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=9</id>
    <title><![CDATA[清水寺に来れる女の懺悔（ざんげ） - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:28:00+09:00</updated>
    <link rel="alternate" href="http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=9"/>
    <summary><![CDATA[　――その紺（こん）の水干（すいかん）を着た男は、わたしを手ごめにしてしまうと、縛られた夫を眺めながら、嘲（あざけ）るように笑いました。夫はどんなに無念だったでしょう。が、いくら身悶（みもだ）えをしても、体中（からだじゅう）にかかった縄目（なわめ）は、一層ひしひしと食い入るだけです。わたしは思わず夫の側へ、転（ころ）ぶように走り寄りました。いえ、走り寄ろうとしたのです。しかし男は咄嗟（とっさ）の間（あいだ）に、わたしをそこへ蹴倒しました。ちょうどその途端（とたん）です。わたしは夫の眼の中に、何とも云いようのない輝きが、宿っているのを覚（さと）りました。何とも云いようのない、――わたしはあの眼を思い出すと、今でも身震（みぶる）いが出ずにはいられません。口さえ一言（いちごん）も利（き）けない夫は、その刹那（せつな）の眼の中に、一切の心を伝えたのです。しかしそこに閃（ひらめ）いていたのは、怒りでもなければ悲しみでもない、――ただわたしを蔑（さげす）んだ、冷たい光だったではありませんか？　わたしは男に蹴られたよりも、その眼の色に打たれたように、我知らず何か叫んだぎり、とうとう気を失ってしまいました。
　その内にやっと気がついて見ると、あの紺（こん）の水干（すいかん）の男は、もうどこかへ行っていました。跡にはただ杉の根がたに、夫が縛（しば）られているだけです。わたしは竹の落葉の上に、やっと体を起したなり、夫の顔を見守りました。が、夫の眼の色は、少しもさっきと変りません。やはり冷たい蔑（さげす）みの底に、憎しみの色を見せているのです。恥しさ、悲しさ、腹立たしさ、――その時のわたしの心の中（うち）は、何と云えば好（よ）いかわかりません。わたしはよろよろ立ち上りながら、夫の側へ近寄りました。
「あなた。もうこうなった上は、あなたと御一しょには居られません。わたしは一思いに死ぬ覚悟です。しかし、――しかしあなたもお死になすって下さい。あなたはわたしの恥（はじ）を御覧になりました。わたしはこのままあなた一人、お残し申す訳には参りません。」
　わたしは一生懸命に、これだけの事を云いました。それでも夫は忌（いま）わしそうに、わたしを見つめているばかりなのです。わたしは裂（さ）けそうな胸を抑えながら、夫の太刀（たち）を探しました。が、あの盗人（ぬすびと）に奪われたのでしょう、太刀は勿論弓矢さえも、藪の中には見当りません。しかし幸い小刀（さすが）だけは、わたしの足もとに落ちているのです。わたしはその小刀を振り上げると、もう一度夫にこう云いました。
「ではお命を頂かせて下さい。わたしもすぐにお供します。」
　夫はこの言葉を聞いた時、やっと唇（くちびる）を動かしました。勿論口には笹の落葉が、一ぱいにつまっていますから、声は少しも聞えません。が、わたしはそれを見ると、たちまちその言葉を覚りました。夫はわたしを蔑んだまま、「殺せ。」と一言（ひとこと）云ったのです。わたしはほとんど、夢うつつの内に、夫の縹（はなだ）の水干の胸へ、ずぶりと小刀（さすが）を刺し通しました。
　わたしはまたこの時も、気を失ってしまったのでしょう。やっとあたりを見まわした時には、夫はもう縛られたまま、とうに息が絶えていました。その蒼ざめた顔の上には、竹に交（まじ）った杉むらの空から、西日が一すじ落ちているのです。わたしは泣き声を呑みながら、死骸（しがい）の縄を解き捨てました。そうして、――そうしてわたしがどうなったか？　それだけはもうわたしには、申し上げる力もありません。とにかくわたしはどうしても、死に切る力がなかったのです。小刀（さすが）を喉（のど）に突き立てたり、山の裾の池へ身を投げたり、いろいろな事もして見ましたが、死に切れずにこうしている限り、これも自慢（じまん）にはなりますまい。（寂しき微笑）わたしのように腑甲斐（ふがい）ないものは、大慈大悲の観世音菩薩（かんぜおんぼさつ）も、お見放しなすったものかも知れません。しかし夫を殺したわたしは、盗人（ぬすびと）の手ごめに遇ったわたしは、一体どうすれば好（よ）いのでしょう？　一体わたしは、――わたしは、――（突然烈しき歔欷（すすりなき））
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=8</id>
    <title><![CDATA[多襄丸（たじょうまる）の白状 - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:26:00+09:00</updated>
    <link rel="alternate" href="http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=8"/>
    <summary><![CDATA[　あの男を殺したのはわたしです。しかし女は殺しはしません。ではどこへ行ったのか？　それはわたしにもわからないのです。まあ、お待ちなさい。いくら拷問（ごうもん）にかけられても、知らない事は申されますまい。その上わたしもこうなれば、卑怯（ひきょう）な隠し立てはしないつもりです。
　わたしは昨日（きのう）の午（ひる）少し過ぎ、あの夫婦に出会いました。その時風の吹いた拍子（ひょうし）に、牟子（むし）の垂絹（たれぎぬ）が上ったものですから、ちらりと女の顔が見えたのです。ちらりと、――見えたと思う瞬間には、もう見えなくなったのですが、一つにはそのためもあったのでしょう、わたしにはあの女の顔が、女菩薩（にょぼさつ）のように見えたのです。わたしはその咄嗟（とっさ）の間（あいだ）に、たとい男は殺しても、女は奪おうと決心しました。
　何、男を殺すなぞは、あなた方の思っているように、大した事ではありません。どうせ女を奪（うば）うとなれば、必ず、男は殺されるのです。ただわたしは殺す時に、腰の太刀（たち）を使うのですが、あなた方は太刀は使わない、ただ権力で殺す、金で殺す、どうかするとおためごかしの言葉だけでも殺すでしょう。なるほど血は流れない、男は立派（りっぱ）に生きている、――しかしそれでも殺したのです。罪の深さを考えて見れば、あなた方が悪いか、わたしが悪いか、どちらが悪いかわかりません。（皮肉なる微笑）
　しかし男を殺さずとも、女を奪う事が出来れば、別に不足はない訳です。いや、その時の心もちでは、出来るだけ男を殺さずに、女を奪おうと決心したのです。が、あの山科（やましな）の駅路では、とてもそんな事は出来ません。そこでわたしは山の中へ、あの夫婦をつれこむ工夫（くふう）をしました。
　これも造作（ぞうさ）はありません。わたしはあの夫婦と途（みち）づれになると、向うの山には古塚（ふるづか）がある、この古塚を発（あば）いて見たら、鏡や太刀（たち）が沢山出た、わたしは誰も知らないように、山の陰の藪（やぶ）の中へ、そう云う物を埋（うず）めてある、もし望み手があるならば、どれでも安い値に売り渡したい、――と云う話をしたのです。男はいつかわたしの話に、だんだん心を動かし始めました。それから、――どうです。欲と云うものは恐しいではありませんか？　それから半時（はんとき）もたたない内に、あの夫婦はわたしと一しょに、山路（やまみち）へ馬を向けていたのです。
　わたしは藪（やぶ）の前へ来ると、宝はこの中に埋めてある、見に来てくれと云いました。男は欲に渇（かわ）いていますから、異存（いぞん）のある筈はありません。が、女は馬も下りずに、待っていると云うのです。またあの藪の茂っているのを見ては、そう云うのも無理はありますまい。わたしはこれも実を云えば、思う壺（つぼ）にはまったのですから、女一人を残したまま、男と藪の中へはいりました。
　藪はしばらくの間（あいだ）は竹ばかりです。が、半町（はんちょう）ほど行った処に、やや開いた杉むらがある、――わたしの仕事を仕遂げるのには、これほど都合（つごう）の好（い）い場所はありません。わたしは藪を押し分けながら、宝は杉の下に埋めてあると、もっともらしい嘘をつきました。男はわたしにそう云われると、もう痩（や）せ杉が透いて見える方へ、一生懸命に進んで行きます。その内に竹が疎（まば）らになると、何本も杉が並んでいる、――わたしはそこへ来るが早いか、いきなり相手を組み伏せました。男も太刀を佩（は）いているだけに、力は相当にあったようですが、不意を打たれてはたまりません。たちまち一本の杉の根がたへ、括（くく）りつけられてしまいました。縄（なわ）ですか？　縄は盗人（ぬすびと）の有難さに、いつ塀を越えるかわかりませんから、ちゃんと腰につけていたのです。勿論声を出させないためにも、竹の落葉を頬張（ほおば）らせれば、ほかに面倒はありません。
　わたしは男を片附けてしまうと、今度はまた女の所へ、男が急病を起したらしいから、見に来てくれと云いに行きました。これも図星（ずぼし）に当ったのは、申し上げるまでもありますまい。女は市女笠（いちめがさ）を脱いだまま、わたしに手をとられながら、藪の奥へはいって来ました。ところがそこへ来て見ると、男は杉の根に縛（しば）られている、――女はそれを一目見るなり、いつのまに懐（ふところ）から出していたか、きらりと小刀（さすが）を引き抜きました。わたしはまだ今までに、あのくらい気性の烈（はげ）しい女は、一人も見た事がありません。もしその時でも油断していたらば、一突きに脾腹（ひばら）を突かれたでしょう。いや、それは身を躱（かわ）したところが、無二無三（むにむざん）に斬り立てられる内には、どんな怪我（けが）も仕兼ねなかったのです。が、わたしも多襄丸（たじょうまる）ですから、どうにかこうにか太刀も抜かずに、とうとう小刀（さすが）を打ち落しました。いくら気の勝った女でも、得物がなければ仕方がありません。わたしはとうとう思い通り、男の命は取らずとも、女を手に入れる事は出来たのです。
　男の命は取らずとも、――そうです。わたしはその上にも、男を殺すつもりはなかったのです。所が泣き伏した女を後（あと）に、藪の外へ逃げようとすると、女は突然わたしの腕へ、気違いのように縋（すが）りつきました。しかも切れ切れに叫ぶのを聞けば、あなたが死ぬか夫が死ぬか、どちらか一人死んでくれ、二人の男に恥（はじ）を見せるのは、死ぬよりもつらいと云うのです。いや、その内どちらにしろ、生き残った男につれ添いたい、――そうも喘（あえ）ぎ喘ぎ云うのです。わたしはその時猛然と、男を殺したい気になりました。（陰鬱なる興奮）
　こんな事を申し上げると、きっとわたしはあなた方より残酷（ざんこく）な人間に見えるでしょう。しかしそれはあなた方が、あの女の顔を見ないからです。殊にその一瞬間の、燃えるような瞳（ひとみ）を見ないからです。わたしは女と眼を合せた時、たとい神鳴（かみなり）に打ち殺されても、この女を妻にしたいと思いました。妻にしたい、――わたしの念頭（ねんとう）にあったのは、ただこう云う一事だけです。これはあなた方の思うように、卑（いや）しい色欲ではありません。もしその時色欲のほかに、何も望みがなかったとすれば、わたしは女を蹴倒（けたお）しても、きっと逃げてしまったでしょう。男もそうすればわたしの太刀（たち）に、血を塗る事にはならなかったのです。が、薄暗い藪の中に、じっと女の顔を見た刹那（せつな）、わたしは男を殺さない限り、ここは去るまいと覚悟しました。
　しかし男を殺すにしても、卑怯（ひきょう）な殺し方はしたくありません。わたしは男の縄を解いた上、太刀打ちをしろと云いました。（杉の根がたに落ちていたのは、その時捨て忘れた縄なのです。）男は血相（けっそう）を変えたまま、太い太刀を引き抜きました。と思うと口も利（き）かずに、憤然とわたしへ飛びかかりました。――その太刀打ちがどうなったかは、申し上げるまでもありますまい。わたしの太刀は二十三合目（ごうめ）に、相手の胸を貫きました。二十三合目に、――どうかそれを忘れずに下さい。わたしは今でもこの事だけは、感心だと思っているのです。わたしと二十合斬り結んだものは、天下にあの男一人だけですから。（快活なる微笑）
　わたしは男が倒れると同時に、血に染まった刀を下げたなり、女の方を振り返りました。すると、――どうです、あの女はどこにもいないではありませんか？　わたしは女がどちらへ逃げたか、杉むらの間を探して見ました。が、竹の落葉の上には、それらしい跡（あと）も残っていません。また耳を澄ませて見ても、聞えるのはただ男の喉（のど）に、断末魔（だんまつま）の音がするだけです。
　事によるとあの女は、わたしが太刀打を始めるが早いか、人の助けでも呼ぶために、藪をくぐって逃げたのかも知れない。――わたしはそう考えると、今度はわたしの命ですから、太刀や弓矢を奪ったなり、すぐにまたもとの山路（やまみち）へ出ました。そこにはまだ女の馬が、静かに草を食っています。その後（ご）の事は申し上げるだけ、無用の口数（くちかず）に過ぎますまい。ただ、都（みやこ）へはいる前に、太刀だけはもう手放していました。――わたしの白状はこれだけです。どうせ一度は樗（おうち）の梢（こずえ）に、懸ける首と思っていますから、どうか極刑（ごっけい）に遇わせて下さい。（昂然（こうぜん）たる態度）]]></summary>
    <content type="html"><![CDATA[　あの男を殺したのはわたしです。しかし女は殺しはしません。ではどこへ行ったのか？　それはわたしにもわからないのです。まあ、お待ちなさい。いくら<ruby>拷問<rp>（</rp><rt>ごうもん</rt><rp>）</rp></ruby>にかけられても、知らない事は申されますまい。その上わたしもこうなれば、<ruby>卑怯<rp>（</rp><rt>ひきょう</rt><rp>）</rp></ruby>な隠し立てはしないつもりです。<br>
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=7</id>
    <title><![CDATA[検非違使に問われたる媼（おうな）の物語 - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:26:00+09:00</updated>
    <link rel="alternate" href="http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=7"/>
    <summary><![CDATA[　はい、あの死骸は手前の娘が、片附（かたづ）いた男でございます。が、都のものではございません。若狭（わかさ）の国府（こくふ）の侍でございます。名は金沢（かなざわ）の武弘、年は二十六歳でございました。いえ、優しい気立（きだて）でございますから、遺恨（いこん）なぞ受ける筈はございません。
　娘でございますか？　娘の名は真砂（まさご）、年は十九歳でございます。これは男にも劣らぬくらい、勝気の女でございますが、まだ一度も武弘のほかには、男を持った事はございません。顔は色の浅黒い、左の眼尻（めじり）に黒子（ほくろ）のある、小さい瓜実顔（うりざねがお）でございます。
　武弘は昨日（きのう）娘と一しょに、若狭へ立ったのでございますが、こんな事になりますとは、何と云う因果でございましょう。しかし娘はどうなりましたやら、壻（むこ）の事はあきらめましても、これだけは心配でなりません。どうかこの姥（うば）が一生のお願いでございますから、たとい草木（くさき）を分けましても、娘の行方（ゆくえ）をお尋ね下さいまし。何に致せ憎いのは、その多襄丸（たじょうまる）とか何とか申す、盗人（ぬすびと）のやつでございます。壻ばかりか、娘までも&hellip;&hellip;&hellip;（跡は泣き入りて言葉なし）
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=6</id>
    <title><![CDATA[検非違使に問われたる放免（ほうめん）の物語 - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:25:00+09:00</updated>
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    <summary><![CDATA[　わたしが搦（から）め取った男でございますか？　これは確かに多襄丸（たじょうまる）と云う、名高い盗人（ぬすびと）でございます。もっともわたしが搦（から）め取った時には、馬から落ちたのでございましょう、粟田口（あわだぐち）の石橋（いしばし）の上に、うんうん呻（うな）って居りました。時刻でございますか？　時刻は昨夜（さくや）の初更（しょこう）頃でございます。いつぞやわたしが捉（とら）え損じた時にも、やはりこの紺（こん）の水干（すいかん）に、打出（うちだ）しの太刀（たち）を佩（は）いて居りました。ただ今はそのほかにも御覧の通り、弓矢の類さえ携（たずさ）えて居ります。さようでございますか？　あの死骸の男が持っていたのも、――では人殺しを働いたのは、この多襄丸に違いございません。革（かわ）を巻いた弓、黒塗りの箙（えびら）、鷹（たか）の羽の征矢（そや）が十七本、――これは皆、あの男が持っていたものでございましょう。はい。馬もおっしゃる通り、法師髪（ほうしがみ）の月毛（つきげ）でございます。その畜生（ちくしょう）に落されるとは、何かの因縁（いんねん）に違いございません。それは石橋の少し先に、長い端綱（はづな）を引いたまま、路ばたの青芒（あおすすき）を食って居りました。
　この多襄丸（たじょうまる）と云うやつは、洛中（らくちゅう）に徘徊する盗人の中でも、女好きのやつでございます。昨年の秋鳥部寺（とりべでら）の賓頭盧（びんずる）の後（うしろ）の山に、物詣（ものもう）でに来たらしい女房が一人、女（め）の童（わらわ）と一しょに殺されていたのは、こいつの仕業（しわざ）だとか申して居りました。その月毛に乗っていた女も、こいつがあの男を殺したとなれば、どこへどうしたかわかりません。差出（さしで）がましゅうございますが、それも御詮議（ごせんぎ）下さいまし。
 ]]></summary>
    <content type="html"><![CDATA[　わたしが<ruby>搦<rp>（</rp><rt>から</rt><rp>）</rp></ruby>め取った男でございますか？　これは確かに<ruby>多襄丸<rp>（</rp><rt>たじょうまる</rt><rp>）</rp></ruby>と云う、名高い<ruby>盗人<rp>（</rp><rt>ぬすびと</rt><rp>）</rp></ruby>でございます。もっともわたしが<ruby>搦<rp>（</rp><rt>から</rt><rp>）</rp></ruby>め取った時には、馬から落ちたのでございましょう、<ruby>粟田口<rp>（</rp><rt>あわだぐち</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>石橋<rp>（</rp><rt>いしばし</rt><rp>）</rp></ruby>の上に、うんうん<ruby>呻<rp>（</rp><rt>うな</rt><rp>）</rp></ruby>って居りました。時刻でございますか？　時刻は<ruby>昨夜<rp>（</rp><rt>さくや</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>初更<rp>（</rp><rt>しょこう</rt><rp>）</rp></ruby>頃でございます。いつぞやわたしが<ruby>捉<rp>（</rp><rt>とら</rt><rp>）</rp></ruby>え損じた時にも、やはりこの<ruby>紺<rp>（</rp><rt>こん</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>水干<rp>（</rp><rt>すいかん</rt><rp>）</rp></ruby>に、<ruby>打出<rp>（</rp><rt>うちだ</rt><rp>）</rp></ruby>しの<ruby>太刀<rp>（</rp><rt>たち</rt><rp>）</rp></ruby>を<ruby>佩<rp>（</rp><rt>は</rt><rp>）</rp></ruby>いて居りました。ただ今はそのほかにも御覧の通り、弓矢の類さえ<ruby>携<rp>（</rp><rt>たずさ</rt><rp>）</rp></ruby>えて居ります。さようでございますか？　あの死骸の男が持っていたのも、――では人殺しを働いたのは、この多襄丸に違いございません。<ruby>革<rp>（</rp><rt>かわ</rt><rp>）</rp></ruby>を巻いた弓、黒塗りの<ruby>箙<rp>（</rp><rt>えびら</rt><rp>）</rp></ruby>、<ruby>鷹<rp>（</rp><rt>たか</rt><rp>）</rp></ruby>の羽の<ruby>征矢<rp>（</rp><rt>そや</rt><rp>）</rp></ruby>が十七本、――これは皆、あの男が持っていたものでございましょう。はい。馬もおっしゃる通り、<ruby>法師髪<rp>（</rp><rt>ほうしがみ</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>月毛<rp>（</rp><rt>つきげ</rt><rp>）</rp></ruby>でございます。その<ruby>畜生<rp>（</rp><rt>ちくしょう</rt><rp>）</rp></ruby>に落されるとは、何かの<ruby>因縁<rp>（</rp><rt>いんねん</rt><rp>）</rp></ruby>に違いございません。それは石橋の少し先に、長い<ruby>端綱<rp>（</rp><rt>はづな</rt><rp>）</rp></ruby>を引いたまま、路ばたの<ruby>青芒<rp>（</rp><rt>あおすすき</rt><rp>）</rp></ruby>を食って居りました。<br>
　この<ruby>多襄丸<rp>（</rp><rt>たじょうまる</rt><rp>）</rp></ruby>と云うやつは、<ruby>洛中<rp>（</rp><rt>らくちゅう</rt><rp>）</rp></ruby>に徘徊する盗人の中でも、女好きのやつでございます。昨年の秋<ruby>鳥部寺<rp>（</rp><rt>とりべでら</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>賓頭盧<rp>（</rp><rt>びんずる</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>後<rp>（</rp><rt>うしろ</rt><rp>）</rp></ruby>の山に、<ruby>物詣<rp>（</rp><rt>ものもう</rt><rp>）</rp></ruby>でに来たらしい女房が一人、<ruby>女<rp>（</rp><rt>め</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>童<rp>（</rp><rt>わらわ</rt><rp>）</rp></ruby>と一しょに殺されていたのは、こいつの<ruby>仕業<rp>（</rp><rt>しわざ</rt><rp>）</rp></ruby>だとか申して居りました。その月毛に乗っていた女も、こいつがあの男を殺したとなれば、どこへどうしたかわかりません。<ruby>差出<rp>（</rp><rt>さしで</rt><rp>）</rp></ruby>がましゅうございますが、それも<ruby>御詮議<rp>（</rp><rt>ごせんぎ</rt><rp>）</rp></ruby>下さいまし。<br>
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    <category term="藪の中"/>
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=5</id>
    <title><![CDATA[検非違使に問われたる旅法師（たびほうし）の物語 - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:25:00+09:00</updated>
    <link rel="alternate" href="http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=5"/>
    <summary><![CDATA[　あの死骸の男には、確かに昨日（きのう）遇（あ）って居ります。昨日の、――さあ、午頃（ひるごろ）でございましょう。場所は関山（せきやま）から山科（やましな）へ、参ろうと云う途中でございます。あの男は馬に乗った女と一しょに、関山の方へ歩いて参りました。女は牟子（むし）を垂れて居りましたから、顔はわたしにはわかりません。見えたのはただ萩重（はぎがさ）ねらしい、衣（きぬ）の色ばかりでございます。馬は月毛（つきげ）の、――確か法師髪（ほうしがみ）の馬のようでございました。丈（たけ）でございますか？　丈は四寸（よき）もございましたか？　――何しろ沙門（しゃもん）の事でございますから、その辺ははっきり存じません。男は、――いえ、太刀（たち）も帯びて居（お）れば、弓矢も携（たずさ）えて居りました。殊に黒い塗（ぬ）り箙（えびら）へ、二十あまり征矢（そや）をさしたのは、ただ今でもはっきり覚えて居ります。
　あの男がかようになろうとは、夢にも思わずに居りましたが、真（まこと）に人間の命なぞは、如露亦如電（にょろやくにょでん）に違いございません。やれやれ、何とも申しようのない、気の毒な事を致しました。
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    <content type="html"><![CDATA[　あの死骸の男には、確かに<ruby>昨日<rp>（</rp><rt>きのう</rt><rp>）</rp></ruby><ruby>遇<rp>（</rp><rt>あ</rt><rp>）</rp></ruby>って居ります。昨日の、――さあ、<ruby>午頃<rp>（</rp><rt>ひるごろ</rt><rp>）</rp></ruby>でございましょう。場所は<ruby>関山<rp>（</rp><rt>せきやま</rt><rp>）</rp></ruby>から<ruby>山科<rp>（</rp><rt>やましな</rt><rp>）</rp></ruby>へ、参ろうと云う途中でございます。あの男は馬に乗った女と一しょに、関山の方へ歩いて参りました。女は<ruby>牟子<rp>（</rp><rt>むし</rt><rp>）</rp></ruby>を垂れて居りましたから、顔はわたしにはわかりません。見えたのはただ<ruby>萩重<rp>（</rp><rt>はぎがさ</rt><rp>）</rp></ruby>ねらしい、<ruby>衣<rp>（</rp><rt>きぬ</rt><rp>）</rp></ruby>の色ばかりでございます。馬は<ruby>月毛<rp>（</rp><rt>つきげ</rt><rp>）</rp></ruby>の、――確か<ruby>法師髪<rp>（</rp><rt>ほうしがみ</rt><rp>）</rp></ruby>の馬のようでございました。<ruby>丈<rp>（</rp><rt>たけ</rt><rp>）</rp></ruby>でございますか？　丈は<ruby>四寸<rp>（</rp><rt>よき</rt><rp>）</rp></ruby>もございましたか？　――何しろ<ruby>沙門<rp>（</rp><rt>しゃもん</rt><rp>）</rp></ruby>の事でございますから、その辺ははっきり存じません。男は、――いえ、<ruby>太刀<rp>（</rp><rt>たち</rt><rp>）</rp></ruby>も帯びて<ruby>居<rp>（</rp><rt>お</rt><rp>）</rp></ruby>れば、弓矢も<ruby>携<rp>（</rp><rt>たずさ</rt><rp>）</rp></ruby>えて居りました。殊に黒い<ruby>塗<rp>（</rp><rt>ぬ</rt><rp>）</rp></ruby>り<ruby>箙<rp>（</rp><rt>えびら</rt><rp>）</rp></ruby>へ、二十あまり<ruby>征矢<rp>（</rp><rt>そや</rt><rp>）</rp></ruby>をさしたのは、ただ今でもはっきり覚えて居ります。<br>
　あの男がかようになろうとは、夢にも思わずに居りましたが、<ruby>真<rp>（</rp><rt>まこと</rt><rp>）</rp></ruby>に人間の命なぞは、<ruby>如露亦如電<rp>（</rp><rt>にょろやくにょでん</rt><rp>）</rp></ruby>に違いございません。やれやれ、何とも申しようのない、気の毒な事を致しました。<br>
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    <category term="藪の中"/>
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=4</id>
    <title><![CDATA[検非違使（けびいし）に問われたる木樵（きこ）りの物語 - ブログ -]]></title>
    <updated>2014-07-03T15:23:00+09:00</updated>
    <link rel="alternate" href="http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=4"/>
    <summary><![CDATA[　さようでございます。あの死骸（しがい）を見つけたのは、わたしに違いございません。わたしは今朝（けさ）いつもの通り、裏山の杉を伐（き）りに参りました。すると山陰（やまかげ）の藪（やぶ）の中に、あの死骸があったのでございます。あった処でございますか？　それは山科（やましな）の駅路からは、四五町ほど隔たって居りましょう。竹の中に痩（や）せ杉の交（まじ）った、人気（ひとけ）のない所でございます。
　死骸は縹（はなだ）の水干（すいかん）に、都風（みやこふう）のさび烏帽子をかぶったまま、仰向（あおむ）けに倒れて居りました。何しろ一刀（ひとかたな）とは申すものの、胸もとの突き傷でございますから、死骸のまわりの竹の落葉は、蘇芳（すほう）に滲（し）みたようでございます。いえ、血はもう流れては居りません。傷口も乾（かわ）いて居ったようでございます。おまけにそこには、馬蠅（うまばえ）が一匹、わたしの足音も聞えないように、べったり食いついて居りましたっけ。
　太刀（たち）か何かは見えなかったか？　いえ、何もございません。ただその側の杉の根がたに、縄（なわ）が一筋落ちて居りました。それから、――そうそう、縄のほかにも櫛（くし）が 一つございました。死骸のまわりにあったものは、この二つぎりでございます。が、草や竹の落葉は、一面に踏み荒されて居りましたから、きっとあの男は殺さ れる前に、よほど手痛い働きでも致したのに違いございません。何、馬はいなかったか？　あそこは一体馬なぞには、はいれない所でございます。何しろ馬の通（かよ）う路とは、藪一つ隔たって居りますから。
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    <content type="html"><![CDATA[　さようでございます。あの<ruby>死骸<rp>（</rp><rt>しがい</rt><rp>）</rp></ruby>を見つけたのは、わたしに違いございません。わたしは<ruby>今朝<rp>（</rp><rt>けさ</rt><rp>）</rp></ruby>いつもの通り、裏山の杉を<ruby>伐<rp>（</rp><rt>き</rt><rp>）</rp></ruby>りに参りました。すると<ruby>山陰<rp>（</rp><rt>やまかげ</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>藪<rp>（</rp><rt>やぶ</rt><rp>）</rp></ruby>の中に、あの死骸があったのでございます。あった処でございますか？　それは<ruby>山科<rp>（</rp><rt>やましな</rt><rp>）</rp></ruby>の駅路からは、四五町ほど隔たって居りましょう。竹の中に<ruby>痩<rp>（</rp><rt>や</rt><rp>）</rp></ruby>せ杉の<ruby>交<rp>（</rp><rt>まじ</rt><rp>）</rp></ruby>った、<ruby>人気<rp>（</rp><rt>ひとけ</rt><rp>）</rp></ruby>のない所でございます。<br>
　死骸は<ruby>縹<rp>（</rp><rt>はなだ</rt><rp>）</rp></ruby>の<ruby>水干<rp>（</rp><rt>すいかん</rt><rp>）</rp></ruby>に、<ruby>都風<rp>（</rp><rt>みやこふう</rt><rp>）</rp></ruby>のさび烏帽子をかぶったまま、<ruby>仰向<rp>（</rp><rt>あおむ</rt><rp>）</rp></ruby>けに倒れて居りました。何しろ<ruby>一刀<rp>（</rp><rt>ひとかたな</rt><rp>）</rp></ruby>とは申すものの、胸もとの突き傷でございますから、死骸のまわりの竹の落葉は、<ruby>蘇芳<rp>（</rp><rt>すほう</rt><rp>）</rp></ruby>に<ruby>滲<rp>（</rp><rt>し</rt><rp>）</rp></ruby>みたようでございます。いえ、血はもう流れては居りません。傷口も<ruby>乾<rp>（</rp><rt>かわ</rt><rp>）</rp></ruby>いて居ったようでございます。おまけにそこには、<ruby>馬蠅<rp>（</rp><rt>うまばえ</rt><rp>）</rp></ruby>が一匹、わたしの足音も聞えないように、べったり食いついて居りましたっけ。<br>
　<ruby>太刀<rp>（</rp><rt>たち</rt><rp>）</rp></ruby>か何かは見えなかったか？　いえ、何もございません。ただその側の杉の根がたに、<ruby>縄<rp>（</rp><rt>なわ</rt><rp>）</rp></ruby>が一筋落ちて居りました。それから、――そうそう、縄のほかにも<ruby>櫛<rp>（</rp><rt>くし</rt><rp>）</rp></ruby>が 一つございました。死骸のまわりにあったものは、この二つぎりでございます。が、草や竹の落葉は、一面に踏み荒されて居りましたから、きっとあの男は殺さ れる前に、よほど手痛い働きでも致したのに違いございません。何、馬はいなかったか？　あそこは一体馬なぞには、はいれない所でございます。何しろ馬の<ruby>通<rp>（</rp><rt>かよ</rt><rp>）</rp></ruby>う路とは、藪一つ隔たって居りますから。<br>
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    <category term="藪の中"/>
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    <id>http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=2</id>
    <title><![CDATA[サンプル投稿です。 - ブログ -]]></title>
    <updated>2010-01-05T17:21:00+09:00</updated>
    <link rel="alternate" href="http://inazuma.r-cms.jp/blog_detail/id=2"/>
    <summary><![CDATA[
サンプルの投稿です。
この投稿は管理画面から削除できます。]]></summary>
    <content type="html"><![CDATA[<br />
サンプルの投稿です。<br />
この投稿は管理画面から削除できます。]]></content>
    <category term="日常"/>
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